デュラム小麦セモリナを一種類だけ使う理由
パスタの粉は、ブレンドするほど複雑な味になると思われがちです。でも、粉を一種類に絞ったほうが生地の状態を読みやすくなります。その理由を書いておきます。
複数の粉を混ぜると何が起きるか
小麦粉とセモリナを混ぜると、それぞれの吸水率の違いが生地の均一性に影響します。気温や湿度が変わるたびに、どちらの粉がどう反応しているのかを切り分けるのが難しくなります。ブレンドで作ると、生地の状態が安定しないときに原因を特定するのに時間がかかります。
一種類に絞ってわかったこと
北海道産のデュラム小麦セモリナだけを使うようにしてから、生地の変化が卵の状態か気温の変化かをすぐに判断できるようになりました。粉の変数が一つになると、他の要素の影響が見えやすくなります。
セモリナだけで作った生地は、延ばしたときに少し抵抗感があります。この抵抗感が、茹でたときのもちっとした食感につながっています。薄力粉を混ぜると生地が柔らかくなりますが、茹でたときの食感が軽くなりすぎると感じています。
ロットごとに吸水率を確認する
同じ産地・同じ品種の粉でも、収穫年やロットによって吸水率が数パーセント変わることがあります。新しいロットが届いたときは、必ず少量で試し生地を作り、水分量を調整してから本番の製造に入ります。この確認作業を省くと、仕上がりの食感が変わってしまうことがあります。
粉の話は地味ですが、生地の安定に一番影響する部分です。気になることがあれば、お問い合わせページからどうぞ。